【沢水困】 『たくすいこん』困難極まりなく八方塞がりの時です。 ≪運勢予報≫ 台風。 ≪卦辞≫ 『困、亨、貞。大人吉无咎、有言不信』 「こんはとおる、だだし、たいじんはきちにしてとがなし、ことあるもしんぜられず」 ≪運勢≫ 『困』は困窮、苦しむこと。 沢水困の時、通じる、貞正でいることだ、大人は吉で、必死に頑張り問題はない、 このような時は、いくら訴えても信じてもらえない。 この卦は池「沢」に穴があき、水が流れ出て、池が涸渇寸前のひどい状態にあることを示します。 したがって、沢水困の時は、ふさいでもふさいでも底から水が漏れるように、物心ともに困窮する時です。 これ以上悪くなることはないと考え、ありのままの運命を受け入れ黙々と所信を貫くことです。 いいわけや弁解、無駄使いは差し控えること。 易の中で三大難卦の一つです。 ◆入学◆ 結果が出なくて苦しみます、希望の学校に入るのは厳しいでしょう。 ◆紛失物◆ どこかにかくされていますが、消耗品ならば使われてしまっています。 ◆運勢傾向◆ 何事にも障害や支障があって思うように進展しません。 経済的にも困窮して人間関係も円滑さを欠き、悩みが絶えません。 出費が多いために赤字で苦しみます、とにかく忍耐の時です。 ◆願望◆ 資金や資材不足で順調に進みません、ザルで水をすくうようで効果があがりません。 ◆交渉◆ 足もとをみられてまとまりません。 ◆事業◆ 赤字経営です、放漫経営が災いして経営が困難になります。 ◆住居◆ 老朽家屋で住みごこちのよくない住居です、環境を整備するか移転をするのが吉です。 ◆愛情◆ 失恋です、相手がなく寂しさを感じ悩みも深刻です。 ◆結婚◆ 縁談があってもまとまりませんが、まとまらないほうが無事です。 ◆旅行◆ 見合わせるほうが無難です、旅先で水難事故の恐れがあります。 ◆相場◆ 材料が出つくして下落します、現状が底ならこれから次第に上昇します。 ◆健康◆ 口中の病、痰咳、食欲減退、精力虚損、過労による諸病、性病、腎臓病、下痢、痔疾など。 手当てを怠ると持病化したり、衰弱します、重病は凶です。 ◆出産◆ 母体の衰弱や栄養不足を防ぐこと、無事出産します。 ◆人物◆ 経済的に困窮しており節制に乏しく出費の多い人です、元気がなく若さがありません。 ≪初爻の爻辞と対処法≫ 『臀困于株木、入于幽谷、三歳不覿』「いさらひしゅぼくにくるしむ、いうこくにいる、さんさいみず」 『臀』は尻、『株木』は切り株のこと。 疲れ果てて座りたいのに、切り株がゴツゴツしていてお尻が痛くて座れない、 暗い幽谷に迷い込んで三年間も行方不明になる。 職場も家庭も居心地悪く、どうしようもない時です、こうなれば、腹をくくって踏み止まることです。 ≪二爻の爻辞と対処法≫ 『困于酒食、朱〓方來、利用亨祀、征凶、无咎』「しゅしょくにくるしむ、しゅふつまさにきたる、 もちいてきょうしするによろし、ゆけばきょう、とがなし」 『朱〓』は天子の礼服、すなわち天子のこと。 『亨祀』は祭祀のこと。 酒食にも事欠いて困っているが、やがて天子が訪れて登用してくれるだろう、 祭祀でもとり行うことだ、こちらから進めば凶、問題はない。 生活困窮の時ですが、時を待ち堪え忍ぶことです、相手の出方を見て対処すること。 ≪三爻の爻辞と対処法≫ 『困于石、據于〓藜、入于其宮、不見其妻、凶』「いしにくるしむ、しつれいによる、 そのきゅうにいりて、そのさいをみず、きょう」 『〓藜』はとげいばら、『宮』は家のこと。 石に立ちふさがれ、とげだらけのいばらにからまれる、家に帰ったら妻は家出していない、凶。 上司や部下にもいじめられ、信じていた妻にも逃げられるような、まさに『泣き面に蜂』の時です。 動けば動くほど傷が深くなる時ですので、悪あがきはやめてじっと耐えることです。 ≪四爻の爻辞対処法≫ 『來徐徐、困于金車、吝有終』「きたることじょじょ、きんしゃにくるしむ、りんなれどもおわりあり」 『金車』は剛健なる家臣のこと。 家臣が助けに来るのが遅い、行き詰まってしまうが最後には願いが叶う。 たとえば、実家から来るべき送金が来ないで金欠状態になりイライラしているような時ですが、 どうにかぎりぎりで間に合います、焦らないことです。 ≪五爻の爻辞と対処法≫ 『〓〓、困于赤〓、乃徐有説、利用祭祀』「はなきりあしきるせきふつにくるしむ、 すなはちようやくよろこびあり、もちいてさいしするによろし」 『赤〓』は諸侯の礼服、すなわち諸侯・参謀のこと。 鼻を切られ、足を切られるように、今は惨めな状況で、良い参謀もいない、 だが、時がたてば徐々に喜びが出てくる、祭祀でもとり行うことだ。 天の助けか、援助者をようやく得て、前途に光明を見出せる時です。 ≪上爻の爻辞と対処法≫ 『困于葛〓、于〓〓、曰動悔、有悔征吉』「かつるいにくるしむ、ここにげつごつ、いわくうごけばくゆる、 くゆるあってゆけばきち」 『葛〓』はかずら、『〓〓』は動揺して安定しないこと。 つたかずらにからまれて,道なき道を進むように激しい不安を感じる、こうした時に動けば後悔することになる、 だが、自分の非を悔い改めて進めば吉。 苦しんだ沢水困の時ももうじき去ります、不安な気持ちでいっぱいですが、用心に用心を重ねて出直す時です。 |