【天地否】 『てんちひ』世はまさに闇の時です。 ≪運勢予報≫ 大雨。 ≪卦辞≫ 『否、之匪人、不利君子貞、大往小来』 「ひはこれひとにあらず、くんしのていによろしからず、だいゆきしょうきたる」 ≪運勢≫ 『否』は否定の否で、塞がって通じないこと。 天地否の時には人の道がまともに行われない、君子がいかに貞正を守って事を行おうとしても、行えない、 大人が追い出され、つまらぬ小人がのさばっている時だからである。 天地否の時は正しいことや常識が通じず、まさに不毛の時です。 人との不和も多く、生活も思わしくなく、孤独な時です。 このような時は正論は控え、つまらない者とは極力関わらないことです。 ◆入学◆ この卦では合格は考えられません。 ◆紛失物◆ 内でなくした小さい物なら、おくれても見つかります。 外でなくした物は出にくいし、内部によくない人がいて、外に物を持ち出すこともあるときです。 ◆運勢傾向◆ すべての点が塞がった状態になっているためにままなりません、好機を待つ姿勢が大事です。 始めは苦しみますが次第に上向いてきます。 ◆願望◆ 望みをかなえるより現状を守ることが大切です、阻害されていた事も間もなく突破できます。 ◆交渉◆ 相手の強圧的な態度に押されますが、まともに応じないで一歩ゆずって他日に期待してください。 ◆事業◆ 努力の甲斐もあまりなくて出費が多く収入は少ない状態です、時勢や環境が悪いので時期を待つことです。 ◆住居◆ 居心地、日当たりともに悪く発展は望めず衛生状態もよくありません、移転や建築は延期しましょう。 ◆愛情◆ 異性に恵まれません。 交際があっても進展しないし、お互いに理解しあえないことがあります。 今は相手がいない場合は先行きに希望はあります、逆に今親密な相手は後々離別する可能性があります。 ◆結婚◆ 婚期をすぎてなお縁のうすい人です、交際範囲が狭いために縁談がありません。 ◆旅行◆ 旅先で災害の起きやすいときですので、できれば取りやめたほうが無難です。 ◆相場◆ 突破口が見つからなくて動きのないとき、現在高いものは下落し、低いものは先行き騰勢に転じます。 ◆健康◆ 脳障害、憂うつ症、喉頭がん、声帯疾患、肺結核、肋膜、血行不順、過労など。 精神的な安定を欠き気力がありません。 ◆出産◆ 支障があって厄介な状態になりやすいので、体力をつけて良医の指導を守ってください。 ◆人物◆ 目上の人や上司のために苦労します。 無口で交際範囲が狭く、楽しみが少なくて恵みのうすい人で、見かけは楽しそうでも内面に苦しみのある人です。 ≪初爻の爻辞と対処法≫ 『抜茅茹、以基彙、貞吉』「ぼうをぬくにじょたり、そのたぐいをもってす、ていきち、とおる」 『茅』はイネ科の多年草、『茹』は草の根が連なること、『彙』は仲間のこと。 茅を抜くとその根が連なって抜けるように、仲間と協力することだ、貞正にして吉、通じる。 チームワークを大切にする時です、天地否の時は、悪い仲間の誘惑もあるでしょう、 そうした者たちとズルズルと行動をともにして一網打尽の憂き目に遭わないよう用心することです。 ≪二爻の爻辞と対処法≫ 『包承、小人吉、大人否亨』「ほうしょうす、しょうじんはきち、たいじんはひにしてとおる」 『包承』は他に包み込まれ従うこと。 得体の知れない者がはびこる時、このような者に素直に従って小人は吉かもしれない、 だが、大人はキッパリと付き合いを断って、通じる。 能ある鷹は爪を隠すべき時です、自分の信ずる道を守りましょう。 ≪三爻の爻辞と対処法≫ 『包羞』「はじをつつむ」 恥ずかしいことを包み隠している。 内部に問題を抱えている時です。 やましい秘密を隠し持っていたり、下心を持って人に接していたら、信用を失い孤立してしまいます。 ≪四爻の爻辞対処法≫ 『有命无咎、疇離祉』「めいありとがなし、たぐいさいわいにつく」 『疇』同類のこと、『離』はつくこと。 天命にしたがっていけば問題はない、志をおなじくする者と協力することでお互いに幸せになる。 上司の命令には良く従うべき時です、幸せを皆で分かち合うような広い気持ちで過ごすことです。 ≪五爻の爻辞と対処法≫ 『休否、大人吉、基亡基亡、繋于苞桑』「ひをきゅうす、たいじんはきち、 それほろびんそれほろびんとす、ほうそうにつなぐ」 『苞桑』は桑の木の根元のこと。 天地否の状態が止んだ、大人ならば吉である、しかし、亡びるかもしれない、亡びるかもしれないと 桑の木の根元につなぎ止めるように慎重に行動することだ。 台風の目に入ったような時です、ここにきて一息つけますが、油断することなく警戒を緩めないことです。 ≪上爻の爻辞と対処法≫ 『傾否、先否後喜』「ひをかたむく、さきにはふさがりのちにはよろこぶ」 天地否の時が傾いた、初めは塞がっていても、後には喜ぶことになる。 闇の中に光が差し始め、先が見えて来ました、苦しみ転じて喜びとなる時です。 |